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2013/06/03

公開される建物情報<第8回>「聴秋閣」

聴秋閣は非常に小さいため、今回の公開においても建物にあがることはできず、のぞき込むような形での公開となります。
この建物は三溪自身が書いた「由来書」によれば、徳川家光が二条城内に建てさせ、そのあと春日局に与え、局の息子筋にあたる稲葉家の江戸藩邸にあったものが、明治14年に侯爵二條厚基氏の牛込若松町の邸宅に移り、その二條候から譲られ、大正11年に三溪園に移築しています。
次のふたつの画像はその「由来書」です。




最初の画像の四行目に「江戸稲葉候邸内・・・」とありますが、これは青山にあった稲葉家(京都淀藩)の下屋敷をさしていると言って間違いないと思います。明治のはじめに下屋敷内を写した写真があり、そこに聴秋閣と思われる建物が確認できます。そして、写真を見ると写っている場所に最初に建てられた物ではないように思えます。まわりの景観と建物の形の必然性が感じられないのです。その画像を掲載したいのですが、他の方の著作物ですので掲載は控えさせていただきます。
書名等は次のとおりです。興味のある方は図書館などで見ていただければと思います。
学習研究社「現状比較 地図と写真で見る幕末明治の江戸城」2003年6月発行
監修・執筆 平井聖(昭和女子大学学長)
執筆 浅野伸子(昭和女子大学国際文化研究所客員研究員)
括弧内の肩書きは、発行当時のものです。

この建物の見所は
まず、全体のデザインです。二層の建物ですが、二層めが非常に小さいこと。屋根も含め、いろいろ組み合わせたように対称形でない点です。

細部のデザイン等も非常に凝った部分が見受けられ、次の3点をご紹介します。
●一階部分の木製タイル敷


●二階への階段が曲線を描いている点

<奥に設置されているため見られないかもしれません>

●建具の引き手