新着情報

蓮の愉しみ

2021.07.06

花のなかでもとりわけ蓮を愛した原三溪は、園内に無数の蓮を植えて観賞しました。
現在、蓮は正門をはいって右側の蓮池のみに咲いていますが、三溪在世中は園内中央の大池全体にも植えられていました。
花の時期には親しい人を招いて蓮の茶会を催すなど、風流な様子が伝えられています。
開園から115年が経った今も、三溪園の蓮は私たちを楽しませてくれます。

 

蓮の開花の様子

「蓮は早朝に咲く」というのはよく知られていますが、その咲き方には実は1日ごとに変化があります。
わずか4日ほどの開花の間、姿をかえる蓮の花を、ぜひじっくり観察してみてください。

 

▶︎開花1日目


午前5時頃、外側の花びらがゆるみ出し、1分間に約2mmずつゆっくり開き、1〜3cmの「とっくり型」になる。
色も濃くなり、午前8時頃から閉じ始める。

 

▶︎開花2日目

夜中の午前1時頃から開き始める。
午前7時から9時頃までにお椀型になり、色が鮮やかになる。
この頃から閉じ始め、昼ごろには完全に閉じる。

 

▶︎開花3日目

夜中の午前1時頃から開き始め、午前6時頃にはお椀型、9時頃には皿型になる。
色はあせ、花びらも散り始める。
午後までに少し閉じるが、半分開いた状態で終わる。

 

▶︎開花4日目

夜中の午前1時頃から開き始める。
午後6時には完全に開き、花びらが散り始める。
午後にはすべて散り、花托だけが残る。

 

 

「ぽんっ!」と音がするってホント?

蓮の花が開くときには音がする、昔から一般にいわれています。
江戸の詩人・梁川星巌(やながわせいがん)は不忍池のほとりで蓮の開花する音を聞こうと、詩を読みました。

 

香気濛々水気清 逗廉残月影朧明  毎朝支枢費幽聴 髣髴錦苞初発声  

花の香はあふれ、水は清く、月はおぼろ  私は毎朝、蓮の花の咲く音を聞こうとしている

 

江戸時代の頃からすでに蓮の花が咲く時は音がすると信じられていたことがうかがえます。
しかし、実際には蓮はゆっくり静かに開くため、音は聞こえません。
蓮のその神秘的な美しさから、蛙が水に飛び込む音などを聞き誤ったことが言い伝えられてきたのかもしれませんね。

 

「蓮の糸」をとりだそう!

レンコンの蓮の茎を折ると、その切り口から無数の糸がでてきます。
この糸をつむいだものを「蓮の糸(はちすのいと)」または「藕糸(ぐうし)」といいます。
奈良県の当麻寺(たいまでら)にはおよそ1200年前の奈良時代に中将姫が蓮の糸で曼荼羅(まんだら)を織ったという伝説があり、極楽往生の縁を結べるとも言われています。
糸の正体は、細胞壁に含まれる繊維質で、らせん状の構造がほどけて出されてくるのです。
古くは手作業で行われ、近年では苛性ソーダで煮ることにより入手ができますが、40kgの茎からたった2gほどと、非常に希少です。

三溪園では、「早朝観蓮会」の時期におこなわれる「はすあそび」で体験することができます。


ページトップへ

三溪園 関連情報