重要文化財「旧燈明寺三重塔」
保存プロジェクト
重要文化財「旧燈明寺三重塔」保存プロジェクト
~ 500年の歴史を未来へつなぐ再生の物語 ~
三溪園のシンボル、重要文化財「旧燈明寺三重塔」を次世代に継承していくため、5年をかけた壮大な保存プロジェクトが始動しました。
大池越しに「旧燈明寺三重塔」を望む景観は横浜を代表するものの一つ
約70年ぶりの大規模修繕
移築当時の三重塔(年代不明)。丘の上に今と変わらぬ姿で立っている
移築から100年以上の時が流れ、塔は今、大きな節目を迎えています。
通常、三溪園では園内にある10棟の重要文化財の屋根修繕を約30年ごとに行っています。檜皮葺屋根の『臨春閣』など、建造物の多くは木造で、雨風や紫外線、湿度など自然環境の影響を受けやすく、損傷や劣化が進む前に修繕を行うことが必要となるためです。
ただし、三重塔は瓦屋根のため、最後に大規模修繕が行われたのは1954(昭和29)~1955(昭和30)年。約70年を過ぎた現在、昨今の文化財修繕の指針に基づいて、屋根の修繕とともに耐震診断を行い、必要に応じて補強も実施することになりました。
修繕工事は2018(平成30)年に始まった第1期を皮切りに、「臨春閣」など他の重要文化財から順次開始しており、今回の三重塔の修繕はそれに続く事業。2025(令和7)年度から約5年にわたるプロジェクトとなる予定です。
日本の歴史や技術、文化を継承していくことも重視したプロジェクト
この保存プロジェクトは、単に「歴史的建造物を修繕・保存する」というものではなく、『歴史の鼓動を次世代につなぐ再生の物語』です。
塔が建設された室町時代の技術や美意識に敬意を払いながら、一つ一つの工程を丁寧に進めていくことはもちろん、横浜の街や来園者の方々、そして、プロジェクトにかかわる職人さんにも、その歴史をつないでいくことが大きな使命だと考えています。
大池に架かる観心橋から望む三重塔。
例えば、修繕には全国から集まる熟練の職人たちが作業にあたりますが、若い世代への伝統技術の継承という重要な役割も、このプロジェクトは担っています。
三重塔だけでなく、他の建造物の屋根などの修繕は約30年ごとに行われるため、今やっていることがまた30年後にも実施されることになります。今回は若手として頑張ってくださる職人さんが30年後には立派なベテランになり、次はリーダーとして若手の職人さんを連れてきてくれるかもしれません。建造物を維持し続けることと同時に、無形の技術を継承していく機会を彼らと一緒につくり上げていくことが、文化財修繕の大事な役割だと考えています。
三重塔の知られざるエピソードとは!? 修繕の様子はSNSなどでも発信予定
三重塔は、園内の風景と合わせて遠くから眺める姿も美しいですが、丘の上まで登って近くで見ると、また違った姿を感じることができます。塔の全高は約24メートル。細部は和様でまとめられ、端正に組み合わされた斗栱(ときょう)や、整然と並ぶ垂木(たるき)などが長く突き出た軒を支えている様子などが見られ、500年以上の時を超えてきた歴史の重みを間近で感じることができます。
屋根の軒反りや逓減率(ていげんりつ。上層になるにつれて屋根の大きさが小さくなる比率)が穏やかで、安定した重厚感を見せるのが特徴
斗栱(屋根の荷重を柱に伝えるため、柱の上部などに設置される組み合わせの部材群)や、垂木(屋根の板を支える部材)の様子がよくわかる
京都から移築するとき、塔の中心を貫く長い心柱(しんばしら)が輸送中に道のカーブを曲がりきれなかったため、いったん切断し、移築再建時に三溪園でつなぎ直したという記録が残っています。三重塔の心柱は建物を支える柱ではないので、そんな大胆なことができたと思われます。
また、塔が立つ向きについても、実は移築当初は現在の向きから90度南側に正面があったのですが、戦後の修繕工事の際、文化財の専門家によって本来の向きが判明したため、現在の向きに変更されています。
屋根の瓦には「東明寺」の文字も。塔があった燈明寺の名が宗派の変更などにより変わっていた時期があり、その時代に建てられたためです。
今回の保存プロジェクトでは、斗栱や垂木、屋根の瓦なども全て調査し、解体しながら進めます。木部の傷みを含め、実際に始まってみないとその修繕内容は明らかになりませんが、その過程で建物の内部から年代の根拠となる痕跡や昔の彩色などが見つかる場合があるのも、修繕の醍醐味です。
三重塔の本来の塗装は、全体が赤(丹)、垂木の小口が黄土色、連子窓が緑青色という彩色だった可能性が、戦後の修繕の記録から判明しています。
この原色を塔に復原するかどうかはまだわかりませんが、三重塔が将来に向けて再生する過程は、三溪園の公式HPやSNSなどでも随時発信していきますので、ぜひご覧ください。
数百年後も遺したい横浜の風景を次世代へと守り継ぐ取り組み
修繕工事により見られなくなるのは2027(令和9)年ごろから。
三溪園の三重塔は、園内からだけでなく、湾岸沿いの高速道路や本牧山頂公園などからも望むことができ、横浜のシンボルとしても愛されています。
修繕期間中は塔が足場などで覆われるため、見られなくなる期間もありますが、いずれ本来の美しい姿に戻った状態でお目見えします。そこから先も変わらず存在するようにしていくのが、今回のプロジェクトの大きな目標です。『三重塔が見えるな、あぁ、横浜だな』と安心していただける風景を守り継いでいきますので、ぜひ見守っていただければと思います。
三重塔保存プロジェクトへの応援をお願いします
三溪園への寄附
三溪園への直接の寄附については、都度の寄附のほか、マンスリーサポーターの仕組みもございます。詳細はこちらをご覧ください。
三溪園にご寄附をいただくと、所得税と住民税の優遇措置が受けられます(個人の場合)。また、寄附額に応じて、特別催事のご案内や入園招待券をお届けします。
ふるさと納税の仕組みを活用した寄附
横浜市では、三重塔保存プロジェクトに対し「クラウドファンディング型ふるさと納税※」を実施しています。
※ふるさと納税制度を活用して行うクラウドファンディングで、地方自治体が課題解決を目指して実施する特定のプロジェクトに対し、寄附を募る仕組みです。
市外在住の個人の方には、寄附金額に応じて返礼品をご用意しています。
寄附金は三重塔の耐震診断のほか、調査・設計・修繕工事などに活用され、返礼品として園内での食事会やお茶会、建築物を巡るプレミアムツアーなど、三溪園ならではの体験型リターンを用意しています。
返礼品の一例
三溪園を楽しめる企画や三溪園オリジナルグッズなどをお礼の品(返礼品)としてご用意いたしました。
※返礼品の詳細については「ふるさとチョイス」に外部リンクいたします。
-
プレミアムツアー「三溪園の”秀吉”を巡る」(外部サイト)
2026年の大河ドラマで注目の豊臣秀吉ゆかりの建物特別公開と文化財の茶室でのお茶体験。
開催日:R8/2/23
寄附額:40,000円 -
作陶と点前体験(外部サイト)
陶芸センターでの陶芸体験と、ご自身で作った茶碗による三溪園での点前体験のセット。
陶芸:R8/1/25、点前:R8/3/8
寄附額:40,000円 -
三溪園で味わう極上の日本茶(外部サイト)
厳選された日本茶と、抹茶・ほうじ茶を使ったお食事とスイーツをご提供。季節の煎茶・ほうじ茶の淹れ方レクチャーも。
開催日:R7/11/30
寄附額:19,000円 -
三溪園麦梅酒(5本)(外部サイト)
約500本の梅が植えられている三溪園で採れた、様々な品種の梅をブレンドして作ったクラフトビール。
寄附額:22,000円 -
ニーマルヨガ(古典ヨガ)&瞑想(外部サイト)
軽やかな動きで体を目覚めさせ、呼吸で心を澄ませ、瞑想で静けさと明晰さを取り戻す。
開催日:R7/11/29・30、R8/1/12
寄附額:17,000円 -
マインドフルネス&坐禅体験(外部サイト)
古建築で健やかな心と体をはぐくむ。静かに心と向き合う禅のひとときを。瞑想と坐禅の体験会。
開催日:R8/1/12
寄附額:14,000円 -
三溪園花文合わせ(5個入)(外部サイト)
粒あんと求肥を包んだ薄皮に、三溪園の創設者原三溪が好んだ図案「四弁花文」の焼印を押したどらやき。
寄附額:8,000円 -
三溪園花文合わせ(16個入)(外部サイト)
粒あんと求肥を包んだ薄皮に、三溪園の創設者原三溪が好んだ図案「四弁花文」の焼印を押したどらやき。
寄附額:18,000円 -
三溪園花文合わせ船もなかギフト(外部サイト)
粒あんと求肥を包んだ薄皮に、三溪園の創設者原三溪が好んだ図案「四弁花文」の焼印を押したどらやきと、神奈川県菓子コンクールにおいて最優秀賞を受賞した横浜みやげ「船もなか(こしあん)」のセット。
寄附額:16,000円 -
前撮りチケット(3千円分)【BPフォトスタジオ】(外部サイト)
四季折々の表情が楽しめる名勝庭園「三溪園」でのウェディングフォト
親族からのプレゼントとしても使用できます。
寄附額:10,000円 -
前撮りチケット(3千円分)【スタジオAQUA】(外部サイト)
三溪園ウェディングフォト3,000円分撮影券
親族からのプレゼントとしても使用できます。
寄附額:10,000円 -
前撮りチケット(3千円分)【スタジオレイル】(外部サイト)
「横浜三溪園」での前撮り・フォトウェディング
親族からのプレゼントとしても使用できます。
寄附額:10,000円 -
挙式・披露宴チケット(外部サイト)
文化財を一日一組限定貸切結婚式― 三溪園で叶える人生最高の日の特別なギフト
親族からのプレゼントとしても使用できます。
寄附額:100,000円
※寄附額は、500,000円(外部サイト)・1,000,000円(外部サイト)のプランもございます。 -
国指定名勝三溪園 招待券(2枚)(外部サイト)
おとな・こども、いずれにもご利用可能。紅葉で鮮やかな三溪園にぜひお越しください。
寄附額:6,000円 -
神奈川沖浪裏タンブラー(外部サイト)
葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」に今の横浜の風景を重ねたタンブラー。今、北斎が描いたら、三溪園の三重塔やランドマークタワーを描いたかも。
寄附額:11,000円
リンク
<本記事に関する問い合わせ先>
〇旧燈明寺三重塔の修繕について
〇三溪園への寄附について
公益財団法人 三溪園保勝会
045-621-0634
〇ふるさと納税について
横浜市にぎわいスポーツ文化局観光MICE振興課
045-671-3546










