内苑施設
きゅうてんずいじじゅとうおおいどう
旧天瑞寺寿塔覆堂
Juto Oido Hall of the Former Tenzuiji Temple
- 重要文化財
1591年(天正19年)に、豊臣秀吉が病気から快復した母・大政所の長寿を祈って建てた生前墓の寿塔を覆っていた建物。
桃山時代らしい豪壮な彫刻や柱とその上の組物などには、かつて鮮やかな彩色が施されていましたが、現在は風化して一部に痕跡を残すのみとなっています。
1905年(明治38年)に、原三溪が内苑に移築した最初の古建築です。
(この覆堂があった天瑞寺は大徳寺内の寺院の一つでしたが、明治時代のはじめに廃寺となり、現在は存在していません。)
旧天瑞寺寿塔覆堂のみどころ
華やかな装飾
鬼瓦や軒丸瓦の模様や金具など桐と菊の装飾が華やかに彩ります。
扉の彫刻
扉の彫刻は上半身が女性・下半身が鳥の「迦陵頻伽」。仏教の象徴的な花である蓮の花と、長寿の象徴である霊芝を掲げています。
その他のみどころ
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小ぶりな建物ですが、豪壮な彫刻や端正な唐破風付き入母屋屋根がバランスよく、重厚感があります。
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楽器を奏で、御物を掲げる天女たち。かつては色鮮やかに彩色されていました。
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内部の折上小組格天井。戦後の復旧修理事業で復原した色鮮やかな彩色を目にすることができます。
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外部の彩色は復元しませんでしたが、痕跡にのっとった調査結果から、かつての色鮮やかな様相をうかがい知ることができます。